「中嶋聡税理士事務所・タック スニュース3月号」
2008.03.07[vol.31]
▽トピック〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◎ 確定申告の最中の2/28に、かねてよりその動向が注目されていた、法人が支払う
逓増定期保険の保険料の取り
扱いについて、国税庁が改正通達を発表しました。
・「法人が支払う長期平準保険等の保険料の取扱いについて」
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/870616/01.htm
・新旧通達の対照表はこちら
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kobetsu/hojin/kaisei/080228/01.pdf
それまでは、保険期間満了時の年齢が60歳を超えかつ加入時の年齢+保険期間×2≦90 に該当する
逓増定期保険はその全額が損金算入(費用計上)が認められていました。
しかしながらこの保険は当初の保険料の中に将来の保険期間に充てるための前払保険料部分が含まれているため、
解約時期によっては解約返戻金が支払った保険料の7割ぐらい戻ってくるものもありました。
この保険商品の特性と法人税の通達の規定を利用し、保険期間を調整して支払保険料を全額損金算入して
一時的に法人税額の軽減を図るという節税行為が行われていたのです。
(解約返戻金は雑収入として益金算入(収益計上)なので、純粋な節税ではなく課税を繰り延べる効果)
保険期間の調整ぐらいだったらかわいいもんですが、
ひどいケースになると、最初に節税額ありきで、例えば「100万の節税がしたいから保険料の支払いは300万ぐらい必
要で、そうなると保障額は○億円ぐらいの保険になりますね〜」なんてことも行われていたようです。
今回の通達改正はこの行き過ぎた節税行為を防止するため、保険期間満了時の年齢が45歳を超える逓増定期
保険は最低でもその1/2を前払保険料として資産計上しなければならないと規定されました。
(保険期間の満了時年齢等の一定の要件を満たすものは段階的に2/3、3/4資産計上が必要となっています)
節税を謳い文句に、お客さんに逓増定期保険を売りまくっていた税理士先生なんかは改正通達がどうなるか
(遡って適用されるかどうか)びくびくしていたようですが、改正通達の適用は20年2月28日以後の契約に適用され、
それより前に契約したものについては改正前の通達で計算すればよいとのことです。
幸いにも、中嶋事務所では逓増定期保険は
@解約返戻金の返戻率のピーク時期が短く(期間の経過による返戻率の変動が激しい)、節税に使うにしても
使い勝手が悪い。
Aそもそも、節税目的以外に逓増定期保険に見合った加入目的が思い浮かばなかった。
・必要保障が増加していくケースとは?
経営好調で会社規模がどんどん大きくなる会社であれば、可能性はありますが。
・最終的な保障額が同じになる定期保険と比較すれば保険料が安いってことがメリットといえばメリットでしょうか。
ただ、その分最初の保障額は少ない訳ですからねぇ・・。
という理由から、お客さんにも全く勧めていませんでした(検討はしましたが。。)。
今回のように節税を加入目的の中心においた保険商品は、将来の税制改正などで取り扱いがどう転ぶかが予測
できません。したがって、超長期の保険に加入する際は、そのリスクがある事を十分理解するべきなのでしょう。
やはり、保険は保険、本来の「万が一の保障」という目的に応じた使い方をするのが一番メリットがあるという
ことですね。それでちょっと節税できれば嬉しいな〜。ぐらいのスタンスが丁度よいと思います。
▽今月の税務〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
3/10(月)・・・2月分 源泉所得税の納期限(毎月納付)、2月分特別徴収住 民税 の 納期限。
3/31(月)・・・ 1月決算法人 →(法人税・消費税・府県民税・事業税・市民税)確定申告書の提出期限。
3/31(月)・・・ 前期消費税等年税額60万円以上(地方消費税込み。以下同じ。)の7月決算法人
→(消費税)6月中間申告書の提出期限。
3/31(月)・・・ 前期消費税等年税額500万円以上の4月、7月、10月決算法人
→(消費税)3月中間申告書の提出期限。
3/31(月)・・・ 前期消費税等年税額6,000万円以上の法人(12、1月決算法人以外)
→(消費税)1月中間申告書の提出期限。
3/31(月)・・・ 3月決算法人
→消費税の届出書(課税事業者選択(不適用)、簡易課税選択(不適用))の提出期限(原則:翌期より適用)
→法人税の減価償却方法の変更届の提出期限(翌期より変更)
→法人税の申告期限の延長申請書の提出期限(決算が2ヶ月以内に確定しない場合)
※上記期限は、法人税の申告期限の延長、消費税の課税期間の短縮をしていない場合のものです。
▽ニュース〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
◎事務所HP更新情報(2/1〜2/29分) ・2/29 コラム(最強の国産Flash作成ソフトSuzuka!)更新しまし
た。
ホームページ作成の強い味方。Flash作成にはこれがベスト!フリー(無料)ソフトなのも嬉しい! →http://www.nkj-tax.com/colum.html
・2/29 よくある質問(Q27:寡婦(寡夫)控除について教えてください。)追加しました。
平成17年の老年者控除の廃止に伴って、新たに適用受けられる方が大勢いらっしゃると思います。
適用見落としありませんか?
→http://www.nkj-tax.com/faq.html
◎コントロール誌2008年1月号、2月号に原稿が掲載されました。
・テーマ「電子申告の手引き」(2008年1月号)
ブログ等では宣伝しまくってましたが、完成版ができました。手前味噌ですがかなりの力作です。 →http://www.control-sya.co.jp/control.html
・テーマ「課税取引の判定手順・その6」(2008年2月号)
今回は消費税の非課税取引に関する解説の最終回(4回目)です。 →http://www.control-sya.co.jp/control.html
※原稿の内容にご興味がおありの方はご一報下さい。<E-mail: >
▽その他〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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