〜電子申告に向けての準備〜
・電子証明書の取得
電子申告には利用者の電子証明書が必要になりますので、まずはその準備を行う必要があります(現在は、税理士が納税者の申告データを作成して送信する場合は、税理士等の電子署名の付与及び電子証明書の添付のみで送信することが可能ですので、その際は納税者の電子証明書の取得は必要ありません)。
電子申告に使用可能な電子証明書を発行している団体はe−Taxのホームページに掲載されています。
(http://www.e-tax.nta.go.jp/systemriyou/systemriyou3.html)
一般納税者の電子証明書の入手については、いくつかの方法がありますが、そのうち住民基本台帳カード(以下「住基カード」といいます)を利用して、住所地の都道府県知事により発行される「公的個人認証サービス」に基づく電子証明書を入手する方法が、他の電子証明書の発行団体に比べて利用可能者が多く、コストも比較的少額ですみます。
この電子証明書は住所地の都道府県知事により発行されますが、手続き上は住民票のある市区町村窓口で交付を受けることになります(実際には、住民票のある市区町村の窓口で住基カードを入手し、その住基カードに電子証明書を格納してもらうことになります)。市区町村窓口での電子証明書の具体的な発行手続きは以下のとおりです。
(イ)写真付きの本人確認書類(運転免許書、パスポート、写真付きの住基カード等)を持って市区町村窓口に行きます。
(ロ) 窓口で「電子証明書新規発行/更新申請書」の用紙を受け取り、必要事項を記入の上、本人確認書類を提示します(住基カードを持っていない場合は、住基カードの発行手続きも必要になりますので、合わせて「住民基本台帳カード申請書」に必要事項を記入し、窓口に提出します)。
市区町村によっては住基カードの即日発行を行っておらず、取得までに2〜3日かかる場合がありますのでご留意下さい。(平成20年3月31日現在、大阪市では本人限定受取郵便(※)等により住基カードの送付を受ける必要があります。)
※本人限定受取郵便を受け取るまでの手続き:
住所地管轄の郵便局本局に本人限定受取郵便で郵送されてきますので、郵便局より自宅に「本人限定受取郵便」到着の通知書が送付されたら、本人が、(イ)
通知書、(ロ) 公的身分証明書(健康保険証やパスポート、運転免許証等で写真付であれば1点、写真なしであれば2点)、(ハ) 印鑑(認印可)等を持参のうえ、受取郵便局へ(郵便局での保管期間は10日間)直接出向いて、郵便物を受け取ることになります。
(ハ) 市区町村窓口に設置されているカードリーダの装置に住基カードを挿入し、住基カードのパスワード(4桁の数字)を設定します。
(ニ) 次に市区町村窓口に設置されている鍵ペア生成装置に住基カードをセットし、画面の指示に従って電子証明書の発行に必要な鍵ペア(公開鍵と秘密鍵)を生成します(この際に電子証明書のパスワード(4〜16桁の数字・大文字のアルファベット)を設定します)。生成された鍵ペアは住基カードに記録されます。
(ホ) 市区町村窓口に住基カードを提示し、電子証明書を住基カードに格納してもらいます。
(へ) 電子証明書(及び住基カード)の発行手数料を支払って、「電子証明書の写し(紙ベースのもの)」、「利用の案内」、「公的個人認証サービス利用者クライアントソフト(JPKI利用者ソフト)」を受け取ります(利用者クライアントソフトは電子証明書の内容確認や電子署名を行う際に必要となりますので大切に保管して下さい)。
電子証明書の発行には通常、住基カードの発行手数料(市区町村が条約で定める手数料、500円程度)と、電子証明書の発行手数料500円と合わせて1,000円程度の費用がかかります。
有効期限は電子証明書が3年、住基カードは10年となっていますが、電子証明書は引越しによる住所変更等があった場合には同一市区町村内の異動であっても失効してしまいます。
なお、当然の事ながら別市区町村への転出があった場合には住基カードも失効しますのでご注意下さい。
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参考文献:「電子申告の手引き」中嶋聡(コントロール誌2008年1月号)
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